特別展 信貴山縁起絵巻

  • 2016.05.22 Sunday
  • 23:50
JUGEMテーマ:展覧会

 奈良国立博物館の特別展「信貴山縁起絵巻」を見に行って来ました。
 今回は何といっても「全3巻全場面を全期間公開」という、奈良国立博物館&信貴山太っ腹!!‥‥という、地元ならではの企画です。巡回なしなので、ホンマに奈良に住んでてよかった!!!!と、久々に思いました。

 さて、今日は予定があったのですが、最終日なのでこっちを優先しました。
 で、まず感想。

 めちゃ、よかった〜〜!

 ここんとこ行った展覧会の中で一番良かったと言えます。
 やはり、作品を見てこその展覧会ですよね。
 見る為に並んだ、でも見る時は追われるように進まされるのは、やはりちょっとなぁ‥‥と、思いますね。

 色々展示物もあったのですが、メインは「信貴山縁起絵巻」なので、そっちの感想を。
 博物館前に列がなかったので安心していたら、中に入って絵巻まで50分待ちでした。‥‥まぁ、実質35〜40分位だったと思います。
 絵巻前にロープが張ってまして、ロープの内側から(かぶりつきで)見るなら並ぶ、外側から(遠目)でいいならサクサク進んで〜〜!でも途中からロープの中には入れませんよ!という仕様になってまして‥‥並びました。
 偶々横に並んでいたご婦人と話が合ったので、色々話していたら、結構すぐだったなぁ‥‥という感じでした。
 その方とは3巻一緒に拝見しました。お陰様で楽しかったです。
 ‥‥お名前位聞いておけばよかった‥‥‥。

・「山崎長者の巻」
 昔は「飛倉の巻」と言ってましたねぇ。本物を見るのは初めてでした。
 とにかく、人物が非常に生き生きと描かれているんですね。動き出した倉に驚く人々や、長者に付いて倉を追う従者が手鼻をかんでいたり、わらじを結んでいたり、ちょっとふざけていたり‥‥こういう、コマの端っこのモブの行動は、現在と余り変わらない感覚だなぁと思いました。
 鉢を飛ばして托鉢する命蓮という上人がいるんですね。横着何だか超能力なんだか分からないのですが、その飛んで来た鉢を山崎長者がぞんざいに扱っていたら、鉢が閉じ込められていた倉から飛び出し、倉を持ち上げて飛んでいってしまうわけです。
 長者は従者と倉を追って行くと(この辺の山水画が結構細かでキレイです。)倉は信貴山の命蓮の廬に到着します。
 この命蓮の廬‥‥というか、堂というかは断崖に建っていて、どの巻でも同じ視点から描かれておりまして、物語の転換部分に相当します。京極堂での蘊蓄シーンというか、ホームズで言う処の事件を依頼を受けて現場を見た後のベーカー街221Bというか、あんな感じです。
 命蓮は倉は置いておいて米だけ返そうと、長者と話し合います。米俵の一つを鉢に載せてもらうと、それを先頭に米俵が列を作って空を飛んで長者の館に戻ります。列を作って飛ぶ俵が何とも言えず‥‥‥‥シュール。
 どうでもいいかもしれませんが、何で倉を残して米だけ返すのでしょうか?日本の経済の基準が、米の取れ高とか所有数だったからなのでしょうか?ちょっとした疑問でした。

・延喜加持の巻
 これも実物見るのは初めてでした。
 延喜の帝(醍醐天皇)の病を治して欲しいと、都から勅使が使わされます。
 で、庶民は相変わらずのユーモラスな表情ですが(牛車の仕丁らが首や腕を掻いて待ってたり、勅使を見る人々が嬉しそうに話し合ってたりと細かい仕草が楽しい)勅使は引目かぎ鼻表現です。
 勅使は命蓮の廬で都に来て欲しいと依頼しますが、命蓮は信貴山から剣の護法童子を使わすと約束します。
 重苦しい御所にある夜、護法がやって来て帝の病を治します。
 このシーンの御所に立つ護法の静と、信貴山から車輪を回して飛んで来た護法の動の対比が格好いいです。このシーンだけ左から右に見る仕様ですね。
 護法童子は中国で言う処の哪吒なのかなぁ?と、思って見ておりました。
 前半の深刻な勅使と、帝の病平癒後の晴れ晴れとした勅使の差がいいですね。

・尼公の巻
 これは見たことがあります!!
 日本画の授業で異時同図法の見本として、絶対に出て来る作品でもありますね。
 命蓮の姉の尼公が信濃から大和へ旅して、命蓮と再開する物語です。
 有名なのが、大仏殿で尼公がうたた寝し、祈り、立ち去る姿を同時に描いたシーンです。
 前半、人々と関わりながら命蓮を探す尼公の周囲の庶民の生活の姿が生き生きとしていて、大仏殿の後、一人寂しく命蓮を探す尼公の姿と対照的です。
 そして、命蓮の廬。前2巻では飄々とした表情で長者なり勅使なりを迎えていた命蓮が、非常に驚いた顔で尼公を迎えるのが、ちょっと変化球です。
 二人が仲良く生活してハッピーエンド‥‥と思いきや、最後にちょっとしたオチがついております。
 ‥‥この辺のユーモアのセンスが、本当に今に通じるなぁと、感じました。

 で、最近の複製模写や、冷泉為恭の模写がありました。冷泉為恭‥‥筆致がきれいですね〜〜〜!
 他にも辟邪絵や粉河寺縁起絵巻もどば〜〜っと開いてくれていました。

 改めて、絵巻はストーリーを追うものなのだなぁと感じました。

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  • 2020.06.30 Tuesday
  • 23:50
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    コメント
    >奈良国立博物館&信貴山太っ腹!!

    凄いですねぇ!本当に太っ腹!!
    最初聞いた時は、三巻は一度に出してくれるとしても、数場面づつ交替なんだと思いました(^^;
    そしたら、全場面を見せてくれるそうで、ホントにマジか!と思いましたよ〜!!

    >まぁ、実質35〜40分位だったと思います。

    しかも待ち時間も少なくて、やはり展示開始直ぐというのはいいんですね(^^)

    >絵巻はストーリーを追うものなのだなぁ

    ホントにそうです!!
    私も、冷泉為恭の模写ですが、「伴大納言絵巻」を三巻まとめて見せて頂いた時にしみじみ思いました。
    但し、見ている15分くらいの間にどんどん絹本が乾燥して浮いてくるのにもビックリでした。
    博物館などの展示は空調が大変なんだなぁと改めて感心してしまいました。

    羨ましいのと感動したのでついつい長文になっちゃいました。ごめんなさいm( )m
    • 怪傑おばさん頭巾
    • 2016/05/25 11:22 PM
    ★怪傑おばさん頭巾さん

     すみません!!!遅くなりました!
     レス出したと思いこんでました!!!

    >凄いですねぇ!本当に太っ腹!!
     なかなか巻物を全部ってないですよねぇ。
    「信貴山縁起」にばかり目を奪われてましたが、実は、「粉河寺縁起絵巻」も開いていましたし、辟邪図も断簡になっていますが全部公開でした。
     冷泉為恭のも2巻広げてまして、画面の詳細模写や町人のセレクト模写など色々見られました。信貴山縁起絵巻の住吉本もあり、色々比較出来て楽しかったです。

    >待ち時間
     最近の待ち時間はちょっと異常ですよねぇ。

    >どんどん絹本が乾燥して浮いてくるのにもビックリでした。
     わぁ、そうなるんですね〜〜。
     絵の公開はその点、やっぱり大変ですよね。

    >冷泉為恭
     今回wikiで調べて、最期の地が天理に試合に行く時に通ってる道だと知りました。びっくりです。
    • ぐんまま
    • 2016/06/02 7:56 AM
    お詫びですm( )m
    冷泉為恭の絵巻は絹本じゃなくて紙本です。あの時、ごちゃこちゃ色々書いて、長すぎる!と思ってアチコチ切り取って送信したら、わかんなくなっちゃいました。ゴメンナサイm( )m
    三巻本を見ているうちに乾燥してブヨブヨになって行っちゃったのは間違いありません。
    絹本の巻物のの時は、先生がお持ちになる時、重くて大変だったと仰ったのでした・・・中味何だったのかは忘れてしまいましたm( )m

    >最期の地が天理に試合に行く時に通ってる道
    いやぁ!「鍵屋の辻」を通って剣道の試合にいらっしゃるのですか?
    私たちの時代で、「鍵屋の辻」と言えば、荒木又右エ門の伊賀上野の「鍵屋の辻」なんですが、奈良にもあるんですね(^^)
    同音異議の名前でずが、剣道の試合に行くには相応しい道筋ですね♪
    • 怪傑おばさん頭巾
    • 2016/06/13 5:21 PM
    ★怪傑おばさん頭巾さん
    >冷泉為恭の絵巻
     どっちにせよ、羨ましい話です〜!!

    >絹本
     紙より重いんですね〜〜。

    >「鍵屋の辻」
     1本ずれてました!!すみません!!
     裏道で入った事がある道かもしれません。
     わかりにくい〜〜!

    >荒木又右エ門の伊賀上野の「鍵屋の辻」
     うわ〜、25号線は時々通るんですが、この辺は行った事がありませんね〜〜。
    • ぐんまま
    • 2016/06/16 1:06 AM
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